オリジナルシナリオ「夢を見ない」
夢を見ない
1. 真相
最近人間との間に生まれた子供であるレアが母親を亡くし、全く夢を見てくれない。
これを嘆いた夢を司るヒプノスがあなた達をサンタさんとして自ら作り出した架空の世界でプレゼントを配らせ夢を見せてくれる人物か見極めた後に
自らのお城に招いて娘に現実だけではなく夢を思い出させようとした。
2.導入
あなた達はクリスマスが近いというのにお金がないまたは暇を持て余している
そんな中コンビニの情報誌や新聞で「サンタさんのバイト募集中! クリスマス当日のみの参加で10万円の謝礼をいたします」という記事が目につくだろう
それを詳しく見てみるとどうやらサンタ服を着てティッシュ等を配るようで破格の日給とサンタ服を着れるバイトということであなたたちはそれに参加することにした
(ここでKPは探索者達に何を準備するのか調べるのか聞いてもいい、バイトについての情報としては大きな面接会場で人が集められサンタ服はあちらが準備することは知っている)
【 会場 】
多くの人が集まった大きなドームのような場所で前のほうでサンタ服を着た若い男性がバイトについての説明をしているようだ
「聞き耳」成功で多くの人がお金目的でやってきたのだろうクリスマスだというのに世知辛い話がたくさん耳に入る
そして多くの人が何人かのグループにわけられ奥の小部屋に消えていく。
残ったのはあなたたちだけとなり同じくサンタ服を着た若い男性が「すみません遅くなりました、あなたたちはこちらになります」とまた別の小部屋のほうを指す
この男性から聞ける情報として
・バイト内容はサンタさんとしてプレゼントを配ってほしいということ
・本物のサンタさんが全員の子供に配るのは難しいのであなたたちに頼んだのだ
・トナカイがひくソリに乗っていきます、あとは小部屋の奥の扉にいるサンタさん自身に聞いてください
・サンタ服は小部屋にあなたたちに合うサイズのものがあるので着替えてもらいたい
・男性自身はサンタさんを手伝う妖精(設定)である
【 小部屋 】 そこは雑居ビルの一室のような狭い部屋で高そうな真っ赤なソファにあなた達は座らされる
そしてここまで道中で説明を聞いてた方がいたなら再度説明として男の情報を得るだろう
後ろにあるロッカーを指さし、サンタ服にあなたたちは着替えると奥の扉にいくことになる
「奥の扉を聞き耳」 人の気配と何かの獣の鳴き声が聞こえる
【 奥の扉 】 開けるとそこは倉庫のようになっていて中央には二つのソリがあり、一つのソリには物語で見たまんまの白いお髭のサンタさんと大きな袋にソリを引いてる茶色いトナカイが三頭、もう一つのソリにも茶色いトナカイ4頭と大きな袋がおいてあります
【 サンタさん 】 赤い服を着た白いお髭のおじいさん、あなたたちにとても友好に接してすこしばかり暴言を吐いても笑って許してくれそうです
「情報」
・今回はお手伝いということで君たちは一緒に行動してもらうがわたしたちサンタとして相応しいふるまいをしてほしい
・行先についてはトナカイが教えてくれる導いてくれるから心配しないで大丈夫
・わたしは別のお子さんの場所にいるから助けることはできないよ
・袋の中にはプレゼントがいっぱいある、君たちがそのお子さんにふさわしいと思うものをあげてくれ
そしてあなたたちがソリに乗るとトナカイたちは一時地面を駆けたかと思うと、夜空に向かって飛び立ちます
寒空の下、上空へと駆けるソリは不思議と夜風をはじくかのように寒さなどは感じません
もしその光景に感動したり心が浄化している探索者がいる場合はSAN値を1D2回復してもいい
【子供の部屋】 トナカイが煙突のある家の上に降り立ち、あなたたちが煙突をしゅるしゅると降りるとそこはどうやら子供部屋のようで奥には子どもが眠っているベッドがあります
「目星」 (ここで成功するとKPは1D3を振り1が出ると男子2が出ると女子3が出ると雑多に物が置かれて顔を見ても性別は判別できないと描写してください、そしてベッドの足のところに大きな靴下がつりさげられています)
プレゼントはプレイヤーの考え通りのものが袋の中から出てくるということで、あまりにも夢がないものだったりもし子供部屋の外に出たがる探索者がいた場合は忍び歩きで判定後失敗するとバッドエンドになります
プレゼントを配り終えるとあなたたちはまた煙突をしゅるしゅると上り次のお子さんの元に行くことになります
(この行動をあと二回ほどKPは続けてください、二回目には目星判定で本棚にファンタジーな絵本があることがわかったり、三回目には目星判定で机の上に株や現代日本を嘆くような大人の本があることがわかります。
これもどうやって夢を見せるかのヒプノスの試練です)
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★ バッドエンド (もし子供部屋で大きな音をしてしまったりトナカイに危害を加えたり他の部屋に侵入して音を鳴らした場合)
あなたたちの視界はぐにゃりと曲がり気を失ってしまう、そして気づくとあのドームの会場で目を覚ます
しかしそこにはあなたたちだけしか存在せず探せど探せど人を見つけることはできない
あなたたちは不思議に思いながらも帰路へとつくのだった 【報酬なし】
(ヒプノスがこいつらには娘に夢を見せることはできないと判断されて送り返される、謝礼もなくSAN回復も見込めないだろう)
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三回目にプレゼントを配り終わった後、トナカイたちが向かっていくのは湖に囲まれた石壁の高々となった西洋風のお城みたところ見張りはいないようです
お城の中に着地するとそこは中庭のようで、噴水があり雰囲気はどんよりとしていることがわかります
そして正面には3つの扉がある
(またここで再度トナカイに乗ってみたとしても飛び立つことはできない、この空間は夢と現実が混じっているためレアちゃんに夢を思い出させない限り飛ぶことはできない。
それとこの空間では拳銃を使ったりつらい現実を語ると更に雰囲気がどんよりと沈んでいく
極限まで暗くなった場合「これはGMの裁量で決めてください」はバッドエンドに直行する)
【右の扉】 「聞き耳」 何かの悲鳴のような声が聞こえる
中に入ると真っ暗な闇が広がり耳をつんざくような悲鳴やまるで闇が生きていて襲ってくるよな幻覚を見るSANチェック(0/1D3)
ここで調べ物をするなら目星ー20で判定 成功すると何か本のようなものに手が当たり、それをつかむとどうやら日記のようだ
外に出ると日記には他愛もないお城での日常が書かれた後に最後のページが
「母親が死んでから娘が夢を見ることを恐れているようだ、現実ばかりを見る。どうにかして夢を見せなければ」という言葉でしめられていた
(この部屋は父親であるヒプノスの部屋で暗闇でよく見えないが確かにヒプノスはいてこちらを見ている、目星クリティカルでヒプノスの姿SANチェック(1D6/1D20)を見せてもよい)
【中央の扉】 「聞き耳」 特に気配や音はしないようだ
中に入ると右側の壁に本棚、奥にはたくさんのおもちゃがあふれています
「本棚に目星」 本棚に目をやると隙間のほうに何かメモのようなものが挟まっているのが目につく
メモの内容を見てみると「わたしの大好きなママもいなくなってかわいいクマちゃんもいなくなっちゃった」と震えた文字で書かれていた
「おもちゃ箱に目星」 ごちゃごちゃしたものの一つに汚れたピンクのクマ人形を発見する
特に目立っておかしな点はないが大事に使われたんだろうなということが見て取れる
この人形を綺麗にすることは可能です、その場合は芸術裁縫かもしくはDEX*5で判定します
【左の扉】 「聞き耳」 人の気配を感じる
中に入ると女の子の部屋らしいピンク色の多いお部屋です
天蓋付きの大きなベッドに一人の白髪の少女が体育座りをしているのが見えます
少女に話しかけると「あなたたちその恰好はなに?もしかしてサンタさんとでもいうの?」とかなりひねくれた態度をとります、サンタさんだといってもサンタさんなんているわけないでしょと信じようとしません
もしピンクのクマ人形を渡した場合は目に光が戻りかなり喜ぶことでしょう、お城の雰囲気もなんだか明るくなった気がします
ここで少女を喜ばせる行為をするごとにお城の雰囲気が明るくなり、KPの裁量で「それよりあなたたちどうやってきたの?トナカイ??なにそれ、ちょっと乗ってみたわ」と言ってソリに乗らせるようにしてください
ソリに乗るとトナカイはまたお空を飛び、下を見るとお城がかなり小さく見え、「わー!すごいわねすごいわね。ほんとうにサンタさんはいたのね!!!」とかなり喜んでいる様子なのが分かる
そしてレアを連れてプレゼントをすべて配り終わるとサンタに会った倉庫に戻ってきます
倉庫に戻り、ソリから降りると「今日はほんとうにありがとう、わたし夢を思い出せた」と輝かしい笑顔をあなたたちに向ける
その笑顔にしばし見とれ、視界は暗転する
目覚めるとあの小部屋の真っ赤なソファーに座っていることに気付く
目の前には謝礼と書かれた封筒(中身は10万円)と一枚のクリスマスカード、内容は「わたしは夢を思い出しました、ほんとうにありがとう。あなたの夢もきっと叶うといいわね微力ながらわたしも祈っているわ」
それをもってあなたは不思議な体験をしたなと日常に帰っていく
シナリオクリア SAN回復1D3